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……競売が終わり、新しいご主人様の家に連れていかれた。
むろん、頭には黒い布を被されたままで。
会場の場所は奴隷には知らされないルールなのだ。
ご主人様の家に向かう車内で、布を取るように妙に機械的な声で命じられた。
「…これで宜しいでしょうか?と言うか、取っても宜しかったのでしょうか?私たち奴隷は、ご主人様の家に着くまで、布を取ってはいけない決まりだと教えられましたが?」
「いいのです、ご主人様がそうするように、言われましたから。」
車内はとても広くて、見たこともないような作りだった。
座席は、丁度人が寝そべられる程の間を空けて向かい会っていた。
こんな高級車に奴隷を乗せて走るなど、あまり聞いたことがなかった、と言うより初めてのことなのかもしれない。
その対面に位置する場所に座っていたのは見知らぬ美少女だった。
「?…ご主人様は?」
私の質問に、美少女は気にもとめずにいい放った。
「携帯が繋がっております。」
(…あの声は、携帯からの声だったのか…)
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