そして、地震並みの振動と雪崩のような音と共に。
「うわっぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
ジョイスの屋敷から皆の大絶叫が上がった。
それから少しして、
「ふぃぃぃ…」
痣だらけのジョイスが、山に戻った周りを見て溜め息を吐く。
Kは、元に戻っただけのソファーの周りを見て。
「お前ぇよ。 魔法で元に戻せるなら、全部片付けろよ」
と、言って見る。
然し、ジョイス自身は、全く悪びれて無い態度を見せる。
「い~や、コレを片付ける権限は、僕の奥さんになる人だけしか無いのサ~」
「はぁ~?」
ジョイスは、赤く成ったデコを摩りつつ、何度も一人勝手に納得している。
目の前で言われるポリア達は、痣だらけでワナワナしていた。
皆の中で、Kだけが全く何の乱れも無い。
さて、ジョイスは、改めてポリアに。
「で? お話はなぁに? キレイな剣士さん」
と、笑ってお世辞も込めた。
然し、男の優しい態度に抵抗が在るポリアは、腕組み引き攣る口元を隠さずに。
「と・こ・ろ・でっ、アデオロシュ様の城は、如何に?」
するとジョイスは、Kの反応を見てから。
「そうだね~。 ラキーム氏の事の処理後。 王国の学者と魔術師に、長期的な調査をさせるよ。 無論、王に申し上げて、亡骸は丁寧に葬らせてもらう。 これ以上、悪霊や亡霊のモンスターになられても困るし」
それを聞いて、ポリアはホッとした。
「それを聴けて、安心したわ。 Kから歴史を聞いて、なんか人事の様に思えなかったから…」
此処でKは、立ち上がった。
「さて、通すべき所に、話は通った。 後は、然るべき処が、然るべき処置をすりゃ~いい」
ポリアも、
「そうね。 冒険者の出来る事は、もう終わったモンね」
と。
イルガは、立ち上がりながら。
「だが、ラキームのお父上や、町の町史の後釜が気に成りまするな。 出来るならば、シェラハさんのお父上にでも、町史に成って頂きたい」
理想を語るイルガだが、そんな事が起こる事は無いと思う。 民衆にも政治は開かれていても、基本的には絶対王政の根本が残るのだから。
最初のコメントを投稿しよう!