第三部:新たなる暫しの冒険。

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「ミラ、それって本当に? あのガロンが、逃げたのに・・殺されたの?」 あんな人間が、逃げた先で殺されるとは…。 殺伐とした人生で、鋭く凶暴な剣の腕を身に付けたガロン。 そうでなくては、他人を犠牲にするとしても、様々な依頼をこなせる訳は無い。 自分と同じく、凶悪なお訊ね者を狩る賞金稼ぎとして、ガロンは名が知れた事も在るのだから。 でも、ミラは既に確認を取った。 ミシェルより問い合わせて貰い、絶対的な確認でガロンは死んだと。 ホーチト王国の政府からの発表を知る。 「ミルダ姉さん、事実よ」 「で、でも、あのガロンよ? 身替わりとか・・」 ミルダの心配に、ミラは首を振って答える。 「あのね、姉さん。 ガロンの遺体を、その街の港で発見したのも。 溝帯で巨大鰐が殲滅されているのを確認したのも。 実は、〔スカイスクレイバー〕なの」 「まさかっ、アルベルトのチームが・・、そう」 脱力する様に、ガロンの死を納得するミルダ。 “スカイスクレイバー”のチームならば、誰でも信用する。 彼らは、現役に動くチームの最高峰に居るのだ。 さて、マグカップに暖かい紅茶と羊乳を入れて、ミルクティーを作ったミラ。 それを姉に渡したミラは、姉に更なる情報を言う。 「だけどね、姉さん。 問題は、此処からよ」 飲みかけたミルダだが、ミラの態度が神妙と云うか。 更に真剣に成ったと感じる。 「な、何が?」 「昨日、こっちに流れて来た、或るチームが居るの」 「誰?」 「ガロンの死体が発見されて、尚且つ、巨大鰐の殲滅を確認した斡旋所から来たチームよ。 若い女性が多いチームだけど、その一人が妙なことを言ったわ」 「‘妙’な・・こと?」 「そう。 斡旋所に来たアルベルトは、依頼を受けるより先に。 ガロンについて、しつこい程に聴き回っていたって。 そして、ガロンを殺した者には、恩賞が出るから捜して欲しいと…」 この話には、ミルダも違和感を感じる。 「どうして、アルベルトが其処まで? 彼は、只の発見者でしょ?」 然し、ミラの顔はいよいよ戦う時の真剣そのもので。 「その後よ。 溝帯の巨大鰐の掃討依頼を、アルベルト達が請けたのは。 だけれど、戻って報告をしたアルベルトは、ガロンを殺した者を捜す様に再度言ったって。 巨大鰐を退治したのは、ガロンを始末した者と同一人物だって」 「え? ・・本当に?」
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