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〈魔界〉
天界、人界の狭間にある、円い板の上に存在する魔族の世界。
中央に魔王宮があり、その上に天界門、下に人界門、そして東西南北にそれぞれ異界に繋がるといわれる門が存在する。
各門から魔王宮までをそれぞれ王と呼ばれる者が治めているが、基本的にお互い不干渉、または敵対しており、また、小数の弱小勢力も存在する。
魔王はかつて、創世にて世界を築いた神から生まれた六人の末娘で、天使長である一つ上の兄と人界を作った。
他の兄弟達は、新たな世界を求め、四つの門から旅立ったという。
その後、最初の地に一人残った彼女は、魔族を生み出し、彼等に無限に力を与える魔王となる。
最初に生まれた二人の魔族は魔王より、天界、人界と魔界を別ける門の守護を命じられた。
フェレアスウォーネとフランディオである。
次に生まれた魔族達は、次の創世に向けて力を付ける為に互いに争う。
魔族には、存在核という個体の元となる物があり、存在力が強くなると、より大きな力が使えるようになる。
では、どうやって存在力を上げるか?
それは、自分と同等か、それ以上の存在から存在力を奪うこと。
存在力を奪われた魔族は格が下がるが、存在核には魔王から無限に魔力が送られる為、滅ぶことは無い。
次第に、力の差が広がり、やがて東西南北四つのエリアに王と呼ばれる存在が現れる。
王が現れ、王が倒され、また新たな王が生まれる。
そして、現在……。
北のエリアには呪詛の王ギ=ヌレグス、
北のエリアの全ての魔族を滅ぼして、一人で住まう孤独の王
南のエリアには破王ギアス=ギア、
統制の取れた軍隊を魔界で唯一作り上げた、戦の王。
西のエリアには不死の王ダレス、
全ての魔族が戦い続ける修羅の王。
東のエリアには魔導王ノルディアース、
魔界に文化を確立しようと街を築き、力を失った魔族を招く賢王。
ギアス=ギアとダレスは常に争い、ノルディアースはそれを眺め、物思いに耽り、ギ=ヌレグスは無関心。
そんな中、ほぼ全ての魔族が待ち望んだ創世の時がいよいよ始まろうとしており、存在してから初めて魔界全てが協力しようとしていた。
そして、魔王よりエリアの代表として集められた王達の会議、議長に任命されたノルディアースから開口一番でた言葉が、
「我々は今度の創世には参加しない、これは母上の決定です、以上」
だったのである。
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