終焉

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魔王宮城門前、先程の謁見から気まずい沈黙が流れるなか、ノルディアースがふと険しい表情を浮かべ立ち止まる。 続いて他の三人も得体の知れない感覚に動きを止めた。 急ぎ、城門を開け外の様子を伺う。 「なっ! なんだ、あれは?」 魔王宮を出た彼等が見た光景、 東西南北四方の空が光り輝く。 それは、まるで魔界という闇を切り裂く剣閃のように幾筋もの軌跡を描き魔界に降り注いだ。 「わっ、私の街が!」 驚愕の言葉を残し、ノルディアースが空間を渡る。 気付けば既にギ=ヌレグスの姿は無い。 「チィッ、何が起こってやがる! 糞がぁ」 吐き捨て、ギアス=ギアが地に溶け込む。 ダレスは正直、自分のエリアにそれほど関心はなかった、どうなったところで、再生すれば済むことであるから。 だから、彼はゆっくり空を飛んで行こうと思った。 既に、先程の光は消えており、かわりに赤々とした炎が見えもする。 飛ぶこと暫し、前方から高い金属音と怒号が聞こえてくる。 「ん?」 ふと、視界に懐かしい姿が過ぎる。 かつて、まだ彼が王ではなかった頃、よく戦った魔族であった。 魔族とは皆、個性的でそれぞれの感性もかなりズレているのは当たり前だが、それでも根幹たる部分が破壊者である事には変わりはない、 しかし彼は物を作る事こそを存在意義としていた。 魔族は自らの具現力によって武具を生み出し戦うが、彼は鉱石を熱で溶かし、打ち込んで武具を作る変人であった。 魔族なのにも関わらず、破壊の力ではなく、再生の能力を持つ異端者のダレスとしては、魔界で唯一興味のある存在なのかも知れない。 見れば、彼は銀の鎧の連中と戦闘している。 (相手の数は……十程度か?) じっと様子を見ていれば、やはり圧倒的な力で瞬く間に数人を切り倒し、そして……、 澄んだ金属音と共に、煌めく刃が宙を舞う。 「折れた……か」 まぁ援護してやるか……と地上に降り、初めて気付く。 「人間だと?」 そこにいるはずもない生物の存在に僅かに動揺しつつも殴りかかるダレス。 言い忘れたが、ダレスもまた、己の肉体のみで戦うを良しとする変人だったのだ……。
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