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そしてすぐに司郎の方に向き直ると美桜はまたもや鬼の形相で司郎を睨む。
「そこの紙袋被った変質者!」
「変? あ、いや僕はスーパーミカン、」
「どこから見てもただの変質じゃない!」
「は、はいっ! じゃない、い、嫌僕は、」
と、またもや美桜一喝、そこで返事をしてしまうのがまた司郎らしい。
狼狽しながら、司郎はなぜか背筋を伸ばして気をつけのポーズ。
「あんたこんな美少女が、悲壮感漂わせながら殺されそうになってんのよ!? それを紙袋被って 『スーパーミカンだ!』 って、あんたバカ? 脳みそわいてんの!? どんだけ空気読めてないのよ!」
酷い言われようだ。
助けた相手に文句を言われるとは、誰が予想できようか。
文字通り涙目であたふたと戸惑い続ける司郎をよそに、言い足りないとばかりに、美桜はなおも言葉を続けた。
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