-姉の教え其の一、男は女を守れ!-

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「はあ?  アデダス? 何よそれ、どこのパッチモンよ!  あんた本当に私のファンなの? そんなファッションで? マジで信じられない! 最悪、逝くなら一人で逝けっての!!」 そう言って美桜は、 「ふんっ」 と、鼻を鳴らして腕組。 これでもかという罵声の雨、涙目を通り越して、もはや号泣するジャージ男。 哀れとしか言いようがない。 「だいたい何であれだけ人がいて他に誰も助けにこないのよ……しかも来たのが寄りによってこんな紙袋を被った変質者って……まじ最悪」 額に人差し指を当て美桜はその場で深い溜め息を一つ。 そして思い返すとますます腹がたってきたのか、美桜は振り返るとまたもや司郎を睨みつける。 「あわわっ! ごご、ごめんなさい!」 美桜の視線に堪えきれず、司郎は謝りながらその場からすかさず飛び退いた。
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