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「あ、危ない逃げて!」
司郎はすぐさまジャージ男の殺気に反応し、美桜に飛び掛かろうとした、だが、
「動くな!!」
後一歩というところで司郎の動きが止まった。
間合いが離れすぎていたのだ。
このまま制止を振り切ることもできるのだが司郎は思い止まった。
ジャージ男の声にはかなりの鬼気が宿っていたからだ。
怒りという闇雲な感情を捨て殺意という明確な目的を得たせいか、ジャージ男が妙に落ちついて見える。
「動くなよ、まずはお前からだミカン男! 目障りなお前から殺して、ゆっくり美桜ちゃんを料理してやる……」
鬼気迫るジャージ男の声に、美桜の全身が恐怖により一瞬で強張る。
美桜の白い肌から見る間に血の気が引いていき青ざめていく。
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