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(何だろうこの気持ち…… 急に信じろとか言われても、でもちょっとだけなら信じて……みたいかも)
美桜は思い始めていた。
それは、モデルという世界に若くして飛び込み、孤独や疎外感と戦ってきた美桜ならではの感情なのかもしれない。
(この笑顔に見つめられていると何か……安心しちゃう……)
美桜は心の中で呟く。
そして目の前の男の子に、まるで意を決したかのように小さく一度頷くと、笑みを浮かべたまま、
「う、うん!」
と、今度ははっきりと頷いて見せたのだ。
そしてそれが全ての合図となった。
「破っ!」
と小さく鋭い掛け声が、司郎の胚から一気に駆け抜け口から放たれた、息吹だ。
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