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「う、嘘だろ……チタン製のナイフが……!?」
男が顔色を真っ青にさせながら喚いた。
「今のうちにこっちへ!」
「は、はい! ……ってあれ?」
そう言われ美桜は素直に司郎の背後へと回る、だがふと考え込むような仕草。
(あれ? 私ってこんなに素直だったっけ……)
心の中で自問自答し、美桜は自分でも驚いている様子だ。
(うぅ……何だろ、なんか悔しいんですけど)
無論、悔しがっているような状況ではないが、それだけ素直になれない美桜が、なぜか今だけは素直になれているということだ。
逃げながらも美桜は、尚も納得いかないといった顔で頭を捻る。
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