-姉の教え其の一、男は女を守れ!-

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電光石火とはまさしくこの事か。 司郎の手が、いつの間にか男の左腕を掴んでいた。 すると突然、男の体が力を失ったかのようにガクン、と崩れ落ちる。 柔らでいう崩しの一種。 力場を失い力なく倒れかけた男の目の前で、旋風が吹き荒れた。 次の瞬間、男の天地は逆転していたのである。 轟音を立てながら、男の背中がコンクリートの地面へ、が、 コツン、と地面に触れる音。 だが無論頭から落ちた音ではない。 靴だ。 男の履いていた靴の踵が地面に触れていた。 司郎は男の上腕を掴む事により、頭からの直撃を防いで見せたのだ。 しかも茫然とする男に対して、 「もういじめちゃダメですよ?」 と、あどけない明快な声で一言。 これもまた司郎らしい。
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