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男は口を魚のようにパクパクさせ、視点の合わない目をグルグルさせながら気を失ってしまった。
(す、すすすごーいっ!)
美桜目の前で起こった一部始終を見て、何と言っていいのか分からず心の中で叫んでいた。
一瞬にして、自分よりも大きな相手を投げ飛ばしてしまったのだ。
しかも、怪我をさせる事なく相手を気絶させてしまった。
(まあ私なら遠慮なく頭からズドン、だけどね)
と、口元に不適な笑みを浮かべつつ、美桜は心の中で付け加える。
まったくもってアイドルらしくない。
「美桜ーっ!?」
遠くから美桜を呼ぶ複数の声、司郎と美桜が声の主に振り向くと、そこにはマネージャーとスタッフ達の姿が見えた。
その後方にはやや離れて、警官らしき人物も見える。
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