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「だ、大丈夫だった、美桜!?」
マネージャーは状況が掴めないのか、司郎と倒れた男を見ながら困惑した様子で二人に駆け寄ってきた。
まあ紙袋を被った怪しい奴が悠然と美桜の横にいるのだから、不審がるのも仕方のない事。
マネージャーは心配そうに美桜の肩に手を伸ばす、が、
「触んないで!」
パシッ、と軽く肌を叩く音。
駆け寄り伸ばしたマネージャーの手を、美桜は吐き捨てるように言いながら叩いた。
「えっ!? み、美桜……?」
「何よ! 肝心な時は皆逃げ出して、もう大丈夫だと思ったら戻って来る……私が無事ならまた私を使って金儲けできるもんね、本当に私のこと心配してくれた人なんてこの中にいるわけ!?」
マネージャーとスタッフ達を、美桜はキッとした目で睨みつけた。
余程泣きはらしたのか瞳が少し赤身を帯びている。
すると突然、美桜の腕が後ろから急に、ぐいっ、と引っ張られた。 突然の事にビックリして美桜が振り返ると、
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