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司郎だ。 勿論紙袋は被ったまま、だが何かを言いたそうに見える。
「な、何よ?」
そんな司郎に美桜が声を掛けた。 言いたい事があるなら言えと言った感じだ。
「あ、あの。 その人達は警察の人を呼びにいったんだと思います。 それは正しい事です。 だ、だから、」
「だから……?」
言葉を選んでいるのか、悩んでいる司郎に美桜が聞き返した。
すると司郎は申し訳なさそうに、
「そ、そんな酷い事言っちゃダメです。 ちゃ、ちゃんとありがとうを言わなきゃです……よ?」
「え? そ、そんななんでわ……」
私がそんな事言わなくちゃいけないの、とそう言いかけながらも美桜は口をつぐむ。
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