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「ちょっ、何それ! せっかく人が謙虚な気持ちになってやってるのに!」
大声でスタッフ達に怒鳴る美桜。 いつもの美桜だ。
(今のうちにっと……)
どさくさに紛れて立ち去ろうとする司郎、だが、
「どこ行くのよ?」
「あうっ!?」
美桜に襟首を後ろから掴まれ呼び止められた。 そして腕組みして司郎の後ろで仁王立ち。
申し訳なさそうに振り返る司郎。
美桜を見て完全に萎縮してしまっている。
「本当はあなたに一番に言わなきゃなのにね……ありがとう。 変質者とミカン男は取り消してあげるわ」
美桜の明るい声が緩やかに響いた。
美しい輪郭に白い肌。
さらりとした前髪から覗きこむ少し潤んだ大きな瞳。
司郎はその目に見つめられ、助けた相手が、やはりかなりの美少女だと再確認した。
(姉さんも綺麗だけど、この人も凄く……)
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