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もう一度美桜はまじまじと司郎を見つめる。 すると美桜の表情がハッとした顔になった。
「あの……君もしかしてうちの学校の生徒じゃ?」
「え、ええ!? ち、ちち違いますよ! 絶対に!!」
あからさまに怪しい反応。
「だって、その制服……」
そう言って、美桜は司郎が着ている制服を指さした。
頭隠してなんとやら。
ミカンの紙袋で顔は隠したとはいえ、着ている服は見事に学生服。
しかもご丁寧に、校章まで付いている。
「うえっ、あ、あいや、ぼぼ僕はスーパーミカンです!! 次の任務があるので失礼します。 さらばです!」
言い捨てるように、司郎はその場から逃げるように駆け足。 だが、
「待てい!」
立ち去ろうとする司郎の前に立ちはだかる人物。
「へっ?」
間の抜けた声を上げ、司郎がその人物に目をやる。
渋い紺色に統一された上下の制服に、桜の代門がこれでもかと主張している帽子。
そう、警察官だ。
だがしかし、少し様子がおかしい。
かなりの敵意を感じさせる目で、司郎を睨みつけている。
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