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美桜が不審者に襲われている、警察官駆けつける、紙袋を被った男が逃げる。
司郎の頭の中でかなり的を得た計算が成立した。
なるほどとばかりに、片方の手のひらにもう片方の握り拳を、ポン。
「ぼ、僕は怪しい人じゃありませーん!!」
両手を上げて降参のポーズ。 それでも人は、追いかけられると逃げたくなる習性なのか、司郎はまたたく間に逃げ出した。
「怪しさ爆発に決まってるだろうが! 待たんかー!!」
警棒を振り上げ職務をまっとうする警察官。
こうして、御坂市の朝は今日も慌ただしく始まる。
「同じ学校……か」
などと呑気に傍観する美桜。
その愛くるしい唇を少しだけ歪めて見せる。
その笑みはまるで天使の微笑み、ではなく、正に小悪魔の微笑に見てとれた。
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