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「ほれ、みんな仕事に戻るぞ、」
そう言って正宗は呆れつつ自分の席へ、志穂も欠伸をしながら着席した。
「それより忍……」
「ん?」
マグカップに口を付けたまま忍が澪の方を振り向いた、その時だった、
「うわっ! ちょっ、止めろ澪!!」
忍が慌てた声で叫ぶ。
何事かと皆が忍に振り返ると、澪が忍の首に手を回し抱きついていた。 もう片方の手で頬を擦り寄せ、忍の耳たぶを甘噛み、
「ひーっ!?」
「相変わらず、忍は耳が弱いな。 良い声で鳴く……」
あられもない忍の叫び声が生徒会室内に響く。 澪はその声を聞いて満足げな笑み。
「おぉっ!」
両拳を握り絞め、早々と傍観を決め込む志穂。
正宗に至っては首元まで顔を赤面させて、喉元をゴクリ。
「あ……え、えーと、体育館で朝礼の準備してきますね!」
正宗は立ち上がり、足早に部屋を出てゆく。
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