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「おっす、気がついたみたいだな。 ほれ」
現れたのは全校集会の時、司郎の側にいた、数少ない友人の一人、直道。 手に持っていたジュースを司郎にひょい、と投げてよこす。
「あ、ありがとう直道君」
司郎は受け取ったジュースの蓋を開け口元へ運ぶと、カラカラだった喉を、ゆっくりと潤してゆく。
生気を失いかけていた顔色が、少しづつ赤身を取り戻す。
「生き返るよ、」
ニッコリと微笑む司郎。
高校生というよりは子供のような屈託のない笑顔。
こういう混じりっ気のないとこが、直道が司郎を気に入っているとこだったりする。
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