姉の教え其の二!  人の話は最後まで聴くべし!

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「あーうん、僕は大丈夫だけど直道君が……」 心配そうな顔で司郎は直道に目をやる。 「そんな事より司郎はどうなのよ? 本当にもう大丈夫なの!?」 「そんな事ってなんだおい!」 赤く腫れた頬をさすりながら、直道が起き上がり胡桃に指をさして意義あり。 「ふん。 司郎は直道と違って体が弱いんだから、心配して当然でしょ!」 「ほほう、司郎が倒れた時、『司郎が死んじゃうー!』 とか言いながら、どさくさに紛れて抱きついてたのはどこの誰でしたっけね」 言い終わるや否や、直道の鼻っ面に、胡桃の裏拳がめり込む。 ゲフッと呻きながら、直道はまたもや転倒。 その様子をビビりながら見守る事しかできない司郎だった。
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