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「お、おまっ……! 裏拳かますか普通!?」
直道は赤くなった鼻をさすりながら胡桃を睨みつける。
泣きっ面に蜂とはこの事か。
「うるさいうるさい! 直道が訳の分かんない事言うからよ!!」
「事実だろ……」
ぼそりと直道が吐き捨てるように呟くと、胡桃がすかさず拳を握る。
これでは拉致があかないと、司郎が勇気を出して二人の間に割って入った。
このままでは直道に生傷が増える一方だ。
「あ、あの、胡桃ちゃん、心配かけてごめんね? ありがとう、おかげで僕もう大丈夫だから、ね?」
ころころとした子犬のような屈託のない笑みを浮かべ、司郎がやんわりと胡桃に言い聞かせた。
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