姉の教え其の二!  人の話は最後まで聴くべし!

31/338
前へ
/394ページ
次へ
「お、おまっ……! 裏拳かますか普通!?」 直道は赤くなった鼻をさすりながら胡桃を睨みつける。 泣きっ面に蜂とはこの事か。 「うるさいうるさい! 直道が訳の分かんない事言うからよ!!」 「事実だろ……」 ぼそりと直道が吐き捨てるように呟くと、胡桃がすかさず拳を握る。 これでは拉致があかないと、司郎が勇気を出して二人の間に割って入った。 このままでは直道に生傷が増える一方だ。 「あ、あの、胡桃ちゃん、心配かけてごめんね? ありがとう、おかげで僕もう大丈夫だから、ね?」 ころころとした子犬のような屈託のない笑みを浮かべ、司郎がやんわりと胡桃に言い聞かせた。
/394ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1095人が本棚に入れています
本棚に追加