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これが効果てきめんというか、眉を吊り上げていたはずの胡桃の顔が、力が抜けていくかのようにふにゃふにゃと緩み、首まで真っ赤にしてもじもじしだした。
「い、いいいや、別に私はそんなに心配してたわけじゃないし、元気なら……その、いいんだけど……」
事態は収まったものの直道は不満顔。
なんだこの差はと言いたげだ。
「それより司郎、お前倒れちまって知らないだろうけど、今大変な事が起きてるんだぜ?」
気を取り直し、直道がニヤニヤしながら司郎に向き直る。
どうもこれをさっきから伝えたかったようだ。
「大変……な事?」
「おう。 お前の姉ちゃん、あの生徒審判試験に受かったんだとよ。 あのジャッジホルダーだぜ? 信じられるか? まああの人の事だから何かやらかすとは思ってたけどよ」
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