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司郎がすがるような眼差しを送る。
胡桃は、苦笑いでその視線を流した。
あの澪がこの学校の実権を握るのだ。
生徒会長というだけでも、今でも十分手に余るものがあるのに、それ以上となると想像もつかない。
澪の事が嫌いな訳ではないのだ、 むしろ大好きな姉だ。 だがしかし学校くらいは平和に安息な日々を過ごしたい。
平和主義者の司郎にとって澪の起こす突発的行動は、予測不能の自然災害にも等しい。
そう、そして正に今がその嵐の前の静けさ、といったところか。
「しかもだ、もう事は起きてんだよ……」
言い終わると、直道は深くため息をつく。
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