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昼休みに遥奈は由紀に俊輔について聞いてみた。
「あぁ、俊輔のこと?あいつわたしの幼なじみなのよね~」
・・・・・・。
「えっ、そうなの?でもどうして関わるなって言ったのかな」
遥奈は俊輔の意図が分からなかった。
「それは多分、俊輔の隣にいると遥奈が痛い目にあうからじゃない?」
「痛い目?」
「あいつさ、今金髪だけど中学3年の秋くらいまで、短髪黒髪の野球少年だったんだよ。キャプテンでさ、結構頑張ってたんだよ」
「なら、別にいいじゃん」
由紀は言いにくそうに言葉を続ける。
「俊輔は高校で、野球続けるとかわたしにすごくキラキラな目で語ってたんだけどさ、練習の帰り道に信号無視した車にひかれたんだ」
遥奈は、由紀の一言一言が胸に響いた。
「それでも俊輔は諦めずにリハビリを続けたんだ。その時は中学3年の夏くらいかな。もう3年生で、最後の試合もでれなかったんだ。それでも俊輔はわたしにも俊輔の家族にも笑顔だったの。高校までには絶対完治するから、って」
「・・・・・・で、治ったの?」
遥奈は由紀に恐る恐る聞く。
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