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「いや!良く考えてみると、凄い事だろ!これは特技だな!」
涼は真面目な顔をして腕を組み、頷きながら言った。
「そんな特技はいりません。というか、特技とは言わないでしょう…そんな事考える前に、ちゃんと起きられるようにしなきゃ。」
美姫は、真剣な目で涼を見ながら言った。
続けて美姫は、人差し指を立てて、涼に説教をし始めた。
すると涼は、やれやれと言った顔で、少し足早になり、美姫の話を聞き流し始めた。
「大体、涼くんは、毎日同じ事を繰り返してるのに、学習能力がないのよ。脳天気と言うか、マイペースと言うか…」
美姫は説教を続けた。
しかし涼は、一向に話を聞こうとはしない。
すると、ようやく美姫が、話を聞いていない涼に気付いた。
「ちょっと涼くん!聞いてる?」
美姫は声を張り上げて、涼の顔を覗き込んだ。
「聞いてる、聞いてる。」
美姫に聞かれると、涼は面倒臭そうに応える。
そんな涼の態度に、美姫は不機嫌そうに返した。
「いつもそうやって適当な返事ばっかりで、全然私の話聞いてないよね。」
そう言って、美姫は涼の前を歩く。
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