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「仕方ないだろ?美姫は昔から、説教始めると止まらなくなるんだから。」
美姫は、頭もいいし、見た目も可愛いし、男子生徒からの評判も良いんだけど、説教癖があるのが玉に瑕なんだよな…まぁ、その性格を知ってるのは俺だけなんだけど。
と、涼はため息を付きながら、心の中で思った。
美姫は、そんな涼を、再び真剣な目で見つめて言った。
「涼くんの事を心配してるから言ってるんでしょう?」
「分かった分かった。」
涼は、また適当に返事をする。
美姫は、何も分かってないと思いながら溜め息を尽き、不満気な顔のまま歩きだす。
すると、涼が美姫に話し掛ける。
「まぁ心配してくれるのは有り難いけど、独り暮らしで色々と忙しいんだ。どんなに頑張っても、朝はどうにもならないな。」
溜め息を尽きながら、お手上げのポーズをする涼。
すると、美姫は何かを思い付いたのか、はっとした顔で涼に提案する。
「そうだ!それなら、私が起こしに行ってあげようか?涼くん程上手じゃないけど、ご飯も作れるし!」
美姫は顔を輝かせて涼を見た。
涼は、突然の提案に少し驚き美姫の顔を伺う。
すると美姫は、涼と顔を合わせた瞬間、顔を真っ赤に染めて俯いてしまった。
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