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「この先だ!絶対に逃がすな!」
だが、その抵抗も虚しく、追っ手はすぐそこまで近付いてきていた。
「くっ…もう追い付いて来たの…」
相手は全速力で追い掛けてくる。
このままでは追い付かれる。
少女は思った。
すると、少女は一つの扉を見付けた。
通路は一本道。
残された逃げ場は、もうその扉しかない。
少女は扉に手を掛け、静かに扉を開いた。
すると中には、床一面に魔法陣の描かれた部屋が広がっていた。
「こ、これは…」
少女は、部屋の中央に描かれた大きな魔法陣に近付き、そっと手を触れようとした。
と、その時だった。
「そこまでだ!ルナ・イース・ミーティア!」
入って来た扉の方から、少女の名前を呼ぶ声がした。
後を追ってきた兵達だった。
幾人もの兵が、銃を構えてルナを取り囲んだ。
その兵の中央から、ニメートル程はあるであろう、がたいのいい男が出てきた。
部隊を率いる隊長だ。
ルナは舌打ちをし、男を睨み付けた。
「これ以上、無駄な抵抗は止めろ。両手を上げて大人しく投降するんだ!」
顎髭を生やした男は、降伏するようルナに言う。
ルナは目を閉じて、男の言う通り両手を上げて、ゆっくりと立ち上がった。
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