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「それはどうかしら。」
ルナがニヤリと笑う。
そして、一歩下がり魔方陣の上に立った。
「お前、何をするつもりだ…」
ガウディは、少し焦った顔でルナを見る。
すると、ルナの足元の魔方陣が仄かに光り始めた。
「もう一つ出口があるのを忘れていたようね!」
ルナが魔方陣の中央に立つと、魔方陣は強い光を放った。
「止めろ!その魔方陣は並みの魔力で扱えるものじゃない!一歩間違えば、時空の狭間に飛ばされて、帰ってこれなくなるぞ!」
ガウディがルナを止めようと魔法陣に近づく。
が、時既に遅く、ルナは詠唱を始めていた。
自分も巻き込まれるのを恐れたガウディは、舌打ちをして魔方陣から離れる。
「このまま、訳も分からず拉致されるよりはマシよ!それに、私の魔力をその辺の魔法兵士と一緒にされては困るわね!」
ルナは詠唱を終え、ガウディに吐き捨てた。
魔法陣は、眩い光を放ち、その光は瞬く間にルナを包み込む。
「この野郎…おい、何をボーっと突っ立ってる!早くあいつを止めろ!」
ガウディは呆然と立ち竦む兵達に命令する。
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