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午前六時。
空は青く晴れ渡り、柔らかい風が吹き抜ける、気持ちの良い朝。
鳥達の囀りに混じって、時計の音が聞こえてくる。
その音は、一軒の和風な家の中から鳴り響いてくる。
近所に聞こえるほど大きな音で、いつまでも鳴り続ける時計。
その直ぐ横では、一人の青年が、目を覚ます様子も無く、布団を被って眠っていた。
そうして、そのまま数分が過ぎ、ようやく青年が目を覚ます。
青年は、鳴り響く時計を手に取り、布団に潜った。
時計は布団の中で鳴り続ける。
と、その時、破壊音と共に時計の音は止み、布団の中から時計の破片が投げ捨てられた。
青年は、そのまま布団から出てくることはなく、部屋の中に静けさが戻った。
それから、数分が経ち、何もなかったかの様に青年が目を覚ました。
「んん~良く寝た。珍しく目覚ましより早く目が覚めたな。」
青年は、自ら時計を壊して、二度寝したことを覚えていない様子だった。
「ところで、目覚まし時計が見当たらないが…どこにいったんだ?」
青年は、目覚まし時計よりも早く目を覚ましたことを疑問に思い、現在の時間が気になった。
ふと、壁に掛けてあった時計に目をやる。
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