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どうする俺、声をかけるか?
でも、なんて?
……普通に聞けばいいじゃん。どちら様ですか?ってさ。
会社の社員とか、ちょっとした知り合いってだけかもしれないじゃないか。
だいじょうぶだ。
確認するだけだから……、
行けよ、俺。
だが、思いとは裏腹に、俺の足は一歩も前に踏み出すことはなかった。
躊躇する俺を置いて、二人は父の車に乗り、そのまま走り去ってしまった。
緊張のためか、喉がカラカラに渇いていた。
ごくりとのむ唾さえない。
ネオンが眩しい街中で、俺は立ち尽くすしかなかった。
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