8人が本棚に入れています
本棚に追加
関ヶ原は家康が勝利し、戦国は終わりを迎えた。凛太郎は自分の時代をも終わりを迎えたと悟り、愛刀『凛歌ノ雀』を自らの喉元に当てた。
『もはや…これまで…』
背後には追っ手の刃までもが迫ってきていた。
剣の時代は終わり。既に生きる価値なし。疲弊した自分を助ける者なし。今まで他人を見下してきた罰が当たったのだ。戦の中邂逅を果たした永劔が助けにやって来る訳もない。
『さらば…剣よ…』
紅い血が舞った。
一ノ瀬凛太郎、二十四年の生涯を閉じる…。
凛太郎の人生。それを知るには二十四年もの月日をさかのぼらなければならない。
最初のコメントを投稿しよう!