壱ノ説【凛太郎】

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関ヶ原は家康が勝利し、戦国は終わりを迎えた。凛太郎は自分の時代をも終わりを迎えたと悟り、愛刀『凛歌ノ雀』を自らの喉元に当てた。 『もはや…これまで…』 背後には追っ手の刃までもが迫ってきていた。 剣の時代は終わり。既に生きる価値なし。疲弊した自分を助ける者なし。今まで他人を見下してきた罰が当たったのだ。戦の中邂逅を果たした永劔が助けにやって来る訳もない。 『さらば…剣よ…』 紅い血が舞った。 一ノ瀬凛太郎、二十四年の生涯を閉じる…。 凛太郎の人生。それを知るには二十四年もの月日をさかのぼらなければならない。
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