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「あのね、普通考えたらわかるでしょあんた?敷金・礼金無料。駅から15分以内、間取りは最低でも2DK、そして家賃は3万円て…あったら俺が住みたいよ。」
「いやでも、もしかしたらあるかもしれないじゃないですか。なんか奇跡的に」
「うちに奇跡は埋まってないから。」
「埋めとけよ!貧乏学生の為にさぁ!!」
「うるせぇよ。部屋貸さねぇぞド貧乏学生。」
「ドは余計だジジィ!」
「大体奇跡頼りで部屋借りに来るんじゃねぇよ。そんな部屋はねぇ……
…………………あった。」
「ほぅれ見やがれクソジジィ!!!あるじゃねぇかよ!」
「…敷金・礼金無料。駅から10分。間取りも2DKで、家賃はジャスト…3万円」
「神様ー!ありがとうー!!」
「でもなぁ…此処は止めた方がいいよなぁオイ…」
「は!?あるんならそこでいいから!もう幽霊とかなら退治するから!実力行使で追い出すから!」
「…まぁ死んでもいいな」
「おぃまてェエ!!今死んでもいいとかぬかさなかったかクソジジィ!!?相手は悪霊か!?」
「うるせぇよ。とにかく此処しかこんな所ねぇからいいよな此処で。ほれカギ。部屋は212号室だ。」
「オイ、死なないんだろな!!?」
「………多分」
親父、おふくろ…あれから丸一日経ちました。悪霊がいる部屋なんか無理だろうと一晩考えました。でも親父の安月給から金を出して貰うのを思い出すと、3万がギリギリです。
なので、
悪霊退治、逝ってきます。
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