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チャイムが鳴る。
「よし、これで一回目は終わり!ほんとは自己紹介してもらうつもりだったんだけどな~‥、まあ次回な!」
ガララッ
雨野は最後まで熱く語って退室していった。
戸が閉まった途端、教室中がまた騒ぎだし、次の授業のため移動し始めた。
「ちょっと彩花!あんたのせいで説教みたいな授業受けちゃったじゃん!」
詩織はかなり怒っていた。意外と詩織は真面目で成績もいいし、スポーツ万能で完璧な人間だったからだ。
「ごめんね‥詩織。私、だから幸せになれないんだよね‥。」
悲しくなり落ち込んで、なかなか移動できない。次の授業は私の大好きな音楽なのに。
「‥ううん、あたしもごめんね。大丈夫だよ、彩花は絶対に幸せになれるから!!」
「詩織‥。」
さっき詩織は完璧って言ったけど、こんなふうに優しいのも魅力の一つ。だから男はほっとかない。
でも詩織は、男は必要ないっていつも断ってるみたい。
「ありがとう、私頑張る!」
「おうっ!私も協力するからなっ!」
二人で誰も居ない特別教室で笑いあった。まだ授業まで時間はある。
「でも何を頑張れば幸せになれる恋愛ができるのかな…?」
彩花はまた悩み始める。
すると詩織がニヤニヤして切り出す。
「ちょっと~彩花!さっきの話!忘れたの?」
「‥?」
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