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ピンポーン、とインターフォンが鳴った。モニターを横目で確認すると、ネムだ。
遅くなるって言ってたような。私が、鍵を開けてやると、ネムが抱きついてきた。
「寒いよー」
「今日は、風が強いからね」
そんな格好しているからだ、とは言えなかった。
「忘れ物」
「昼食、ありがとう」
忘れ物、か。だからただいまって言わなかったんだな。そんなことを思った。
「食べた?よかったぁ」
慌ただしくヒールを脱ぎ捨てる彼女。私はそっとそれを揃えた。小さいなぁ。靴まで小さいんだから、ほんと、可愛くて仕方ない。
そういえば、と思い、窓を閉める。
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