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「ねえねえ、ミツ。化け猫騒動って知ってる?」
「んう?んっぐ、何だそれは?」
口に放り込んだばかりの魚のフライを、私は満足に噛まずに飲み込み、話し掛けて来たハルに返事をする。
昼休みの始め。この時間帯には、皆基本的にご飯を食べている。
彼氏と屋上でラブラブに――何てのは夢幻の迷信で、大抵の高校は屋上からの飛び降り防止等の名目で、屋上への道は閉じられている。
よって、私は今、親友と呼ぶべき程に仲がいいハル(本名、賢神遙耶(さかがみはるや))と共に教室でご飯を食べている訳である。
因みに、彼は彼氏等と言った、恋愛等と言う世迷い事を経て出来た親密な存在ではなく、ただの幼馴染み(生まれてから既に十七年にも及ぶ付き合い)の青年である。
私の様な変人とでも、気兼ねなく付き合ってくれる辺り、彼も変人なのだろうな。
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