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だがしかし、これは作戦だ。ふふふ、ハルのことだ、泣きながら私の後を追ってくる筈だ。
そら、そろそろ後ろから「うわーん、待ってえ。もっと男らしくなって、新聞部の活動にも貢献するから」とか言いつつ、追いかけて来る筈だ。
こう、タッタカタッタカ、廊下を上履きで走ってくる音が……。
「何故だ!何故ハルは追いかけてこない!」
「ハル君は、知能が、三、上がった」
「む、この声は」
突如後ろから聞こえた、レベルアップによる能力値上昇のアナウンス(無論、ロープレ的な)を言う、男性の声。
「我が宿敵サボ野教師ー!痛っ!脳天に会心の一撃が!」
「人がしたネタパクンな。教師に蹴りを入れようとするな。サボ野言うな。しかも俺お前のクラブ顧問な」
「全ての語尾になを入れるな。後、いつも頭に閻魔帳(教師が生徒の成績を書き込むあの黒いやつ)でチョップを入れるな」
「お前も言ってんじゃん」
そう言って、サボ野(本名葉穂茂(はほのしげる))はそのやる気なさゲな顔に、更にやる気なさゲな笑みを浮かべる。
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