たのしい、おもいで。

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なんだか悲しくなったから、家に帰った。 お母さんは、起きていた。 「しねなかった…」 そうつぶやきながら、お酒をがぶがぶ飲んでいる。 お酒、苦手じゃなかったけ。お母さん。 そんなことを思いながら。 ぼくはゆうれーなので、ちょこん、とただお母さんの横に座る。 座って、ただただ、お母さんの顔をながめたりしてみる。 ぼくとちがって、お母さんは息をしている。 お母さんの息は、白くなって消える。 この部屋、寒いんだ…。 ぼくはさむさが分からないから気付かなかった。
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