いもうとの、たんじょうび。

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「ハッピバースデートゥーユー ♪」 今日は妹の誕生日。 テーブルの上には、大きなケーキとプレゼントのテディベア。 お父さんと妹で、テーブルをかこんでいる。 …お母さんはいない。 また寝室にこもって泣いている。 「お母さんはぁ……?」 妹が低く、暗い声でお父さんに聞く。 お母さんは、また泣いてるよ。 ごめんね、ごめんね。ぼくが死んだせいだ。 「お母さんな、まだアイツの死から立ち直れてないんだよ」 「わかってるけど…。私だってつらいけどぉ…。」 妹がなみだぐむ。 …ああ、本当にあの日車になんかひかれなきゃよかった。 ばかみたいだ。 「俺だってつらい。だから早く、忘れたい。」 …え。お父さん。ぼくのことを、忘れようとしているの? そんなのやだなあ。 「…とにかく、誕生日おめでとう。きっとアイツも天国から祝ってるよ」 お父さんが言うと、妹は「うん」と笑った。 …お父さん。ぼく、天国じゃなくてここにいるよ。 とにかく。 誕生日おめでとう。ぼくの大事な妹。
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