かなみ目線

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「けんちゃん、今日はどこに行こうか」 「そうですねえ…カラオケなんてどうですか?」 私の歌唱力披露のチャンスだわっ 「もちろんっ」 そうして私達は目的地に向かい歩き出した。 この時、カラオケなんて行かなければ… もっと穏やかな毎日だったのかな。 でもどうしてだろう。私… 「いらっしゃいませー」 2人で受付をすませる。 チラッと手元の来店リストをみる。 ―1名様 ハラダ― かずあきと同じなまえだわ。 けんちゃんといるのにかずあきの事思い出すなんて私最低…。 「かなみさん…?」 健二に名前を呼ばれてハッとした。 「あっ…ごめん、なに?」 「名前、呼ばれやした…。お部屋案内してくれるらしいです…」 そんな長い時間私はボーっとしていたのか。 自分で自分が信じられない。 「うん、行こっか」 健二に笑顔を向けて、部屋に案内されている途中にふと他の部屋を覗いた時 ただ一人で涙を流しながら何かを歌っている男の人がいて その人がすごく、すごくかずあきに似てていたから私は思わず立ち止まってしまった。
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