終焉?

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「それじゃイクわよぉ~っ!」部屋の中央で片足をテーブルに載せると…気持ち悪く身をクネらせる。 オネェキャラが完全に板についたシヴァである… 『チイッ!!替わるぞっ!!』言い様、顕現化した弁天様!?ここからは映像…そこに展開されたのはネガポジの世界。 総てが色を失い静止していた…例外は破壊の神と女神様のみである。 そこで、まず驚いたのが冴木功人のポーズだ。 立ち上がったシヴァの首元まで数センチの距離で空を掴む姿勢で虚しくも留まっている… その姿から見て取る限り…一瞬の内に破壊の神を仕留めに入っていたのだ!! そしてフリードマン少年だ… なんと彼は脱皮中だ!? 金髪サラサラの頭はド真ん中から背中にかけて縦に裂け、そこからヌルりと覗かせている上半身は…頭ばかりが大きく、痩せほそった体に…白目の無い大きな瞳。 その姿は…グレイである!? 『なっ!』一声発したまま精神だけの状態で唖然となる俺を引き戻したのは… 「考え無しに事を起こすなっ!貴様の力は《奴》と表裏一体!己れの能力のみでは世界が呑み込まれてしまうではないか!」慌てて怒鳴る弁天様の声だったのだが… 「どっこいせいっっ!!」と…シヴァの野太い気合いに掻き消される。 怒声と同時…破壊の神は輪郭だけを残して、その姿を暗黒へと変えた。 瞳であろう位置に真紅の光を二つ灯して… 「くっ!成否の鍵は彼奴に掛かっておる。下手を打てば総ての世界が暗黒の終焉を迎える…」シヴァの変貌に口惜し気な言葉を洩らす弁天様… マハーカーラの降臨した瞬間である… 「全くもって、なっとらんな…冴木所長はどうしたのかね?」のんびりとした口調で語り掛けたのは初老の男性だ。 所は、えいほの応接間である。男性は一人掛けのソファーにゆったりと座り、えいほ職員一同を見回した。 京ちゃんの眼鏡レンズにはヒビが入り、元々から癖のある髪はモジャモジャとアフロ状態。 権爺は全身を包帯で巻上げられ殆どミイラ男… 所長に至っては体表面の9割をギブスで固められ、パッと見は出来の悪い紙粘土の人形だ。 それに比べ比較的軽傷なのか…カノー姉妹は人間用絆創膏をカットした物を体の数ヶ所に貼り付けているダケなのだが…髪型は京ちゃんと同じくアフロ状態である。 そんな中、全く無傷な東山。 やはり奴は…只者ではない…
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