はじまり、はじまり。

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どこかに歩いていったひかる。 その話は、少しばかり置いて。 話は一旦、お嬢様の玲菜に移す事としよう。 玲菜は学校の廊下を歩いていた。移動教室のためだ。 授業道具をその細い腕に抱え、一本の線の上を歩くように真っ直ぐ背筋を伸ばして歩いていた。 他の生徒も廊下にいたりするが、その存在さえ玲菜は無視するかのように。 その凛とした姿勢や、つんとした態度。 そんな孤高とした玲菜は周りの憧れの存在であった。 目鼻立ちもすっきりとして、無駄なものが全くといって良いほどない。 廊下にたむろしていた下級生達や上級生までもが、目を奪われていた。 しかし、そんな事には気付かない玲菜。 鈍感、というか。 何と言うか… 毅然としたお嬢様なのである。 うざったらしく肩にかかる髪の毛をばさっと払う。 (髪の毛…そろそろ切るべきかしら?) 完璧で美しい髪の毛を切る、なんて考えられるのも玲菜だけかもしれない。 そんな事を考えている間にも、目的の教室へとたどり着く。
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