0人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから貴方を護るのが役割なの…」
落ち込んだ愛流はしゅーんと小さくなってしまったように見える。とりあえず、詳しいことは後にしてひかるは落ち込む彼女をどうにかしようと考える。
だが。
哀しい事に中々良い案が思い付かない。
落ち込む理由が分からないのだから。
すると愛流がすくっと立ち上がった。
唐突だったその行動にひかるは目を剥く。
すると彼女は首が痛いほどに空を見上げ、叫んだ。
それは確かに叫んでいるはずなのに、何か分からなかった。
それは言葉なのか、単語なのかすら曖昧だった。
しかし確かなのは大きすぎる音量でひかるは反射的に耳を塞いでいた、という事。
数秒間の間、叫ぶと愛流は大きく息を吐きだしてひかるの方へ振り返った。
びくっと反応したひかるに愛流は「貴方…いや、ひかる様が嫌がってもあたしはひかる様の魔法なんだからねっ」
にこっと太陽のように笑い、宣言したのであった。
そしてひかるは、愛流という魔法によって非日常に引き込まれていく。
それがどんな結果を生み出すかもまだ知らないままに。
最初のコメントを投稿しよう!