0人が本棚に入れています
本棚に追加
だから彼女はすぐに心を開いた。さらけ出した、といっても良いくらいに彼女は。
だけど話す隙もないほど、すぐに言い渡された。
「君は、人間だった」
「…"だった"?」
その言葉に突っ掛かり繰り返す。しかしそこには触れずに、声は淡々と話を進める。
「愛流。君は護らねばならないんだ」
何を、そう聞く前に目の前に一枚のカードがふわっと現れた。
黒い影から生み出されたそれは、透明な緑で文字が書かれていた。それと、文字の隣には写真が。
黒髪の…―
女の子?
男の子?
どっちかは分からなかったが愛流は宙に浮くそれをそっと両手で受け取る。
声は続けた。
「君はその子を護りなさい」
愛流には抵抗する気などさらさらなかった。
というか、抵抗するなんて選択肢は頭に思い浮かびもしなかった。愛流はすぐに返事した。
「―…はいっ!!」
最初のコメントを投稿しよう!