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さて。
考えこんでいるひかる。
そのひかるは今、友達の学校へ向かっている、といったが。
その説明をしよう。
ひかるの今朝の行動を思い返してほしい。
朝、玲菜と一緒に駅まで行ったことを。
ひかると玲菜は行きと帰りを一緒にしているのだ。
しかし駅で待ち合わせのはずだが玲菜が珍しく居残りということでひかるが迎えに行こうと歩いている……
ということだった。
そしてひかるはふと足を止めた。
僅かに首を上げて見上げたそこは玲菜の学校だった。
真っ白で何一つ汚れさえない校舎は夕日に照らされて橙色になっていた。
その入口で足を止めて、ひかるはじっとしていた。
暇そうに隣でほわほわと愛流が漂う。
下校時間は少し前に過ぎたため、あまり人は出てこない。
ちらほらと出て来る生徒たちは物珍しそうにひかるを見ては過ぎ去っていく。
まぁ、こんなお嬢様学校に私服の一般で平凡なひかるが来ていることは珍しいほかにないのだが。
それでも彼女達の視線はちくりと刺さる。
ひかるは校門に背を持たれかけ、地面を見つめた。
そうしないと彼女達の視線に、気づいてしまいそうだから―…
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