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『あと、一時間』
そして二人はゆっくりと歩きはじめた。
そこから向かうのは学校。
といっても学校自体が違う二人は途中で別れるのだが。
ひかるは私服で、背中の大きなリュックがよく似合っている。
特に決まりがないひかるの学校は私服の他、アクセサリーも良いのだ。
だがひかるはそういうのが嫌いだからつけない。
そんなひかるに、いつも文句をつけるのが玲菜。
「せっかくオシャレが出来るんですのに、ひかるは何故しないんですの?」
「そうゆうのってなんか苦手で…よくわかんないし」
あはは、と苦笑いしながらひかるは頭をかく。
そんな能天気さに玲菜がため息をつく。
いつものやり取りをしている間に最寄りの駅へとたどり着いた二人は、ここから別行動。
じゃぁ、と別れてそれぞれの駅のホームへと向かう。
実を言うと、二人の学校は正反対の方向だったりする。
ひかるは手早く、馴れた手つきで切符をかって改札口に行き、北口のホームに続く階段を駆け足で上る。
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