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ギリギリアウト
教室に入ると教授が出席をとっていた。
~浜田、ハイッ・富士、ハ~イ・堀井、あっハイ。~
[アキ、こっち(小声)]
ユキが席をとっておいてくれたらしく、手招きしてる。
隣に座りつつ
『ありがと』
[おそいよぉ、アキもう呼ばれてたよ。後で、出席しますって先生に言ってくれば?
まだ、出席にしてもらえるとおもうよ。]
『うん、言ってみる。』
~由岐…、由岐正広~
[あっ、ハイッ、います。]
あたしの親友、ユキは、
オネェ言葉の男の子
由岐正広君だ(笑)喋らなければ、見た目は、カッコイイのに残念だ。
『さっき、図書館でね。カッコイイ人にあっちゃったよ。』
[おっ、どんな人?]
『なんかねぇ、切れ長の目で、黒髪で襟足長くて、爽やかではないけどセクシーな感じの人。』
[顔がにやけてるわよ。]
『だって、かっこよかったんだもん。』
[はいはい、よかったねぇ。
ほら、出席取り終わったよ。先生に言ってきなさい。]
あたしは、小走りで教授の所まで行って。
名簿のあたしの欄についていたマークを(出席)に変えて頂きました。ラッキー
席に戻ろうと振り返ると、
前から二つ目の席にいた、黒いジャケットの彼と目が合った。
ちょっと恥ずかしくなって、また小走りで
ユキの隣に戻った。
[出席にしてもらえた?]
『居た!』
[?]
『さっき、言ってた人が前の方に居たの。』
[えっ?どの人?]
『前から二つ目の黒いジャケット』
[あぁアレか、なんか雰囲気暗くない?]
『アレって言わないでよ。』
[もっと、優しそうなタイプが、あたしは好きよ。]
『ユキってゲイなの?』
[あたしは博愛主義者よ。バイ。どっちも好きなの。]
『変わってるね。』
[アキに言われたくないわ。
さぁ、真面目に授業受けなさい。]
先生が黒板に、呪文としか思えない文字を書きはじめたので、あたし達はノートに書き写した。
…zzZ
[また、寝てんのかい、起きろ!授業終わったぞ。]
『んん、先生の催眠術が…』
[寝ぼけてんの?トイレ行って来るからちょっと待っててよ。]
『ん~、わかた。』
~コトン~
ん?なんだ?
顔をあげると、彼が目の前に!
「さっきは、ありがと、これお礼だから」
『え?あ、ありがとうございます。』
ニコッとして彼は、また去って行った。
笑われた?
いや、微笑まれたと受け取ろう。
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