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何時間たっただろうか、部屋の荷物はほとんど段ボールの中に詰められていた。 残りは部屋の奥にある鍵の掛かったタンスだけだ。 「え~と…鍵は…」 たしか母は鍵はいつも財布に付けていたはずだった。 「ちょっと待ってろ…」 正信は預かった財布を取り出す。 「あった」 家の鍵と変わった形をした鍵がついていた。 正信は迷う事なく変わった鍵を挿して回す。 そして戸に手を掛けて- 「っうわ!?」 正信の手が弾かれた。 「…?どうしたの?」 「な、なんか電気みたいのが流れてて…」 指先が痛むのか、しきりに擦り合わせている。 「…ふ~ん」 俺も手を戸に掛ける。 しかし電気もなにも流れてなどいなかった。 「静電気じゃん?全然平気だし」 正信の顔を見ながら戸を開ける。 「!?」 すると、とたんに正信の顔色が変わった。 「し、真治…」 「?」 正信が戸の奥に指を指したので俺もその先を見る。 「…!?」 固まった。 その戸の奥には、血のような赤で魔術的な何かが画かれていたのだ。 …そしてその中心には、外側が見えないくらいの紙が貼られた箱型の物が鎖で縛られていた。
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