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「あ、真治じゃん」 20分ちかく走った頃だろうか。不意に、後ろから走ってきた女の子に話し掛けられた。 「亮子か。おはよう」 この栗色セミロングヘアーの女の子は赤坂亮子。 俺の幼なじみで、成績優秀、校内総合No.3の俊足、空手は黒帯と、雰囲気もだが頼りがいのある事から周囲には姐御などと呼ばれている。 欠点と言えば素直じゃない事ぐらいだろうか(正信は胸がささやかな事もだと言っていたが、そんな事はないと思う)。 ちなみに現在のスタイルは動きやすいジャージスタイル。 「うん、おはよう」 速度を落とし、話しやすいように亮子の側につく。 「こんな時間に珍しいね。ダイエット?」 「失礼な。そういう亮子こそダイエットか?」 「ふんッ!」 「あぉふっ!?」 図星だったのか尻に蹴りを食らってしまった。 「~~~っ」 「ふん…朝のトレーニングよ。どうせなら一緒に走らない?」 「ああ…いい…よ…っ」 尻を擦りながら、亮子と共に朝の町内を走り始める。 「…って、ちょ…お前、普通に速い…!」 「ほらペース上げて! そんなんじゃ次の体育祭で勝てないよ~!?」 こっちは只でさえ尻が痛くてちゃんと走れないというのに、かなりの速度を出してどんどん離れていく亮子。 「ま、待てって…!」 「あははははっ」 痛みを我慢してまで本気で走る…が、まったく追い付ける気配がない。むしろ離されている気がする。さすがNo.3。 そして5分後――― 「く…ぜぇ…ぜぇ…」「体力ないなぁ~」 ―――俺逹は家の近くにある公園のベンチに座り、休んでいた。 「亮子が…速いんだよ…すぅ…ふー…」 「ははっ」 何にもなかったように軽く笑う亮子。しかし聞くところによると6時から走っていたらしい。化け物か…。 「そういえばこの後、暇?」 「ああ、暇だけど…何で?」 「んふふ~、それはついてきてからのお楽しみかな」
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