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「…やっぱ痛いね…苦無は…。鋭いし…」
言いながら苦無を握る力を込め、退かす。手に苦無を刺し、そして奪う。少女は手から血が流れ落ちるのを静かに眺める。部屋に一瞬だけ沈黙が走る、が
「……だったら何で奪った訳？毒が塗られてるかもしれないのにさ…」
佐助は驚いた顔をしていたが、直ぐに無表情になり言った
「…別に…理由なんて無いよ……只ね？私が死んだとしても、誰も悲しむ人が居ないからどうでもいいって思った…だから苦無を取って…刺した…ただそれだけだよ」
誰も…誰も居ない…私が死んだら喜ぶ人は沢山居るけれど、悲しむ人は誰も居ない…皆…居なくなった…ずっと前に……
…だって私は…普通の人間じゃない……
そう思いながら流れ落ちていく血を眺めて、私は自分自身を嘲笑する
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