【捲土重来1 -井本-】

5/17
427人が本棚に入れています
本棚に追加
/176ページ
突然現れた藤原が近寄ってきて、 俺に声をかけた。 「あーあ、来てしもうたか」 ちょっと悲しそうに髪をかいた。 「ってことは、ここは…」 「そう。夢の中や」 どうやら、俺は無事(?)悪夢に乗り込むことができたらしい。 「やっぱり一緒に寝ると同じ夢をみれるんかな?」 「お前、 いつからこの夢見とるねん?」 藤原は右上を見上げて考えている。俺は近くのパイプ椅子に座りこんだ。 「うーん、4日前から…かな」 「いつもこんなんか?」 周りは葬式のように 静まり返っている。 隣の席では小杉さんがテーブルを指で小刻みに叩いている。 「そうや。いつも最初は、こう」 -
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!